第二回済州島青年平和学校

2023 年 8 月 15-18 日。東アジア平和センター・福岡の主催で東アジア青年平和学校が済 州島にて開催されました。西南学院大学神学部神学コースからは、長尾、吉田 2 名の参加、 人文コースからは 3 名で合計 5 名の参加がありました。また、東アジア平和センター福岡 の主催者として神学部教授の黄先生も行かれました。引率者として濱野道雄も来られる予 定でしたが、網膜剥離により残念ながら来ることがかないませんでした。
「平和学校の趣旨」 沖縄、済州、台湾から各国の青年が集い、それぞれの地域で平和活動をされている場所
で実際に平和活動に加わりつつ、平和を作るとは何かを学びます。第一回は沖縄を会場に 2019 年に行われました。その後コロナの影響により、第二回目は延期を余儀なくされ今年 ようやく行うことができました。
講師としてソン・ガンホ先生、内間清治先生をお呼びし、それぞれ済州島、沖縄の現状 を教わり、平和行動の意義についてお聞きする機会を持ちました。講義だけでなく、フィ ールドワークとして済州島内を周り、済州島の抱える歴史、痛みを聞くことができました。

「済州島について」

北緯 33 度、韓国の南に浮かぶ火山島。年間 1500 万人もの観光客が訪れるリゾート地です。古くは 1402 年まで独立していた耽羅という王国に遡ります。1910 年の韓国併合で大 日本帝国の領土となり、1945 年まで朝鮮総督府によって統治されていた歴史を持っています。第二次世界大戦後の米ソによる朝鮮半島分割に際し、人民委員会が済州島を統治しま した。しかし、政策を巡って人民委員会と米軍政庁は 1947 年から対立を深め、1948 年 4 月 3 日には朝鮮の南北分断を固定するとの理由から、南朝鮮単独での総選挙実施に反対す る過程で済州島四・三事件が発生しました。

「済州島四・三事件」

少なくとも 3 万人の島民が南朝鮮国防警備隊やその後身の大韓民国国軍、西北青年会等の民間右翼など李承晩支持派の韓国人によって虐殺されたと言われている事件です。済州 島内のコミュニティにおいて、四・三事件に関わりのない人はほぼおらず、誰もが本人ま たは親族が虐殺された、虐殺した、スパイ行為を行った、迫害を受けた等の経験を持って います。

「済州島の現在」

今回の青年平和学校で主に拠点となったガンジョン村には大きな海軍基地があります。
もともと自然豊かだった済州島の海岸が基地建設工事によって立ち入り禁止となりました。 そこでは昔から済州島独自の信仰に基づく祈りが行われていて、その場所が奪われたとい うことは信教の自由の侵害にもつながる問題です。現在もガンジョン村の基地前では日曜 を除く毎朝抗議活動が行われています。一日も早く、済州島に軍事によらない平和が完成 されることを祈りたいと思います。

「青年平和学校活動報告動画」

青年平和学校の内容をまとめたものが動画として一般公開されております。

上記の URL を入力、もしくは「The 2nd Asian Youth Peace School」と検索して頂ければ 視聴することが可能です。
10 分ほどにまとめられた動画です。雰囲気もとても伝わってくるものですので、ぜひご覧ください。

「青年平和学校日程表」

済州島青年平和学校の日程表です。

「青年平和学校の感想」 本誌「道」において、黄先生、吉田さんが今回の青年平和学校についてのことを執筆してくださっています。そちらの記事もぜひご覧ください。

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